平成24年度は9月29日に開催し、一般52名、高校生166名の応募が有りました。以下は、受賞者の一覧です。
<課題歌「月」>
天位 | 西野 紘子 | 煌々と冴ゆる満月見せたくてベッドの母に手鏡持たす |
地位 | 堀 甲枝 | 荒野の月美しかりしと弟の最後の便り征きて還らず |
人位 | 豊田 正己 | 石積みし棚田を継ぎし生涯に悔は残らず浮ぶ月澄む |
滝上 一恵 | 皓皓(こうこう)と厩(うまや)に射し込む月明かり栗色の尻尾は干し草たたく | |
選者 推薦 |
堀 甲枝 | 荒野の月美しかりしと弟の最後の便り征きて還らず |
中村 喜久子 | 夕立の過ぎゆき松に置く露に夕月宿り宿りては落つ | |
[飛騨神岡高等学校] | ||
優秀賞 | 葛谷 里央 | 三日月や親の瞳によく似てる見守る優しさ見張る厳しさ |
入賞 | 下村 翼 | 満月や空に浮かんで闇照らす心の闇まで照らしてくれる |
山田 爽生 | 十五夜の兎や蟹や人などと見方を変えれば何にでも見える | |
小山 千晴 | よく似てる弱い私とお月様欠けた部分を見ない振りして | |
山越 愛 | 何なのか分からないけど悔しくて夜空の月をただ見てるだけ | |
米澤創一朗 | 月を見てふと思い出すあの頃を今があるのはあいつの御蔭 | |
川上まなみ | あの頃のように家族で月を見て綺麗だねって笑い合おうよ | |
佐藤 遼真 | 月を見る犬が吠える猫黙る海で輝き波打ち揺れる | |
林 稜士 | 朧月飛騨の夜空に見栄をはる我も見栄はり満月のごとく | |
大川 智史 | お月様なんであんなに丸いのだ自分を見つめるかがみのようだ | |
[高山西高等学校] | ||
優秀賞 | 大西 康平 | 月がきれいそういうあなたがきれいですただしきことをただしいと言う |
入賞 | 村田 真以 | おもしろいかけては満ちて直る月なんだか似てる私のこころ |
松波 萌 | 月のでるしずかな夜にふとひとり下呂(ふるさと)にいる家族を思う | |
谷前紫月花 | ひっそりと暗闇照らす月光が不安に満ちた心にしみる | |
石井 靖葉 | 月あかり私の心照らしてる明日は笑ってもう一度会おう | |
北平早弥佳 | 私がね歩いてくるとついてくる地上と空の不思議な散歩 |
<自由歌>
天位 | 滝上 一恵 | ひかれ行く小牛の鳴き声こだまして籬(ませ)に身をよせ母牛も鳴く |
地位 | 倉坪 芳江 | あっていい知られたくない秘めごとも例へば蝶が青虫の頃 |
人位 | 荒井 和枝 | 歩み入る橅(ぶな)の林よ木(こ)もれ日に干(ひ)反(ぞ)る落葉のつぶやきを聞く |
選者 推薦 |
奥深山 波子 | 草蝨(しらみ)びっしり付けて仕事終ふ夕べのチャイム今し鳴りたり |
和田 操 | 布団袋、柳行李を積み終へて媼はひとり引越してゆく |