芭蕉忌句会 平成24年度

 平成24年度は11月24日に開催し、一般68名、高校生170名の応募が有りました。以下は、受賞者の一覧です。

<兼題「紅葉」>

天位   (該当なし)
地位 北川 登志子 絡み合ふ人間模様蔦紅葉
栗田 美由紀 手鏡に鬼女の影見ゆ紅葉山
伊藤 浩子 祭り子の草履に鈴や初もみぢ
人位 黒川 みつ恵 老いてなほ三叉路ありぬ夕紅葉

選者

特選

渡瀬 教子 紅葉山掌で呑む水の味
山本 史子 継ぎ惑ふ子を連れ歩りく山紅葉
伊藤 浩子 祭り子の草履に鈴や初もみぢ

選者

佳作

荒井 美和子 より添えば櫻紅葉の声のする
中家 富枝 鞍ヶ嶺も天を支えし照紅葉
池村 とみ子 草紅葉地を這ふ風に犬まろび
楢谷 孝子 紅葉狩白髪を撫でる柘植の櫛
垣内 静子 片目して紅葉透かし見八雲の忌

<当季雑詠句>

天位 高木 みつ江 赤とんぼ造り酒屋は木蓋干す
地位 中島 千恵子 秋澄むやペダルを踏みて小さき旅
人位 田中 君子 それぞれの露の道来て朝市女
黒川 みつ恵 いくさ歌胸底にあり野分吹く

選者

特選

田中 君子 それぞれの露の道来て朝市女
数﨑 清子 魔女などになれぬ話や温め酒
下垣内 町子 赤まんま泣く子を保母に預け来し

選者

佳作

野口 恒子 耳遠くなりし会話や鵙の声
水口 諄子 赤のまま真ん真ん中に白のまま
黒田 登志子 四世代一つ家に在りななかまど
山本 史子 唐辛子赤に傾く齢かな
栗田 美由紀 無造作に千草活けたる唐の壷
[飛騨神岡高等学校]
特選 葛谷 里央 「もう泣くな」微笑む空に日雷
滝沢 佑佳 あの恋のかさぶたできる秋の空
川上 まなみ 消しごむの欠けてしまへり雲の峰
入選 細田 優花 ねこじゃらしいじるあなたの影法師
小野 若葉 足音で逃げる色鯉目で追ひぬ
[高山西高等学校]
特選 谷向 優也 イチョウ道黄金色の柱かな
田中 佑哉 雪の華白き光の一本道
入選 沖本 真紗穂 あわてんぼう赤いもみじに積もる雪
三塚 かんな 帰り道私を追い抜く赤とんぼ
[飛騨高山高校]
特選 山本 祐太 強き者孤独に負けぬ案山子かな
入選 嶋田 凛 愛しき娘松茸飯を貪った