第30回(平成18年) 飛騨文芸祭

<入賞作品集 飛騨文藝>

no30

<飛騨文藝・序文紹介>

ごあいさつ

高山市教育長 森瀬 一幸

 第30回飛騨文芸祭入賞作品集「飛騨文藝」が発刊できましたことを、応募者の皆様、並びにご協力いただきました関係各位に、衷心よりお礼申し上げます。

 今回も、飛騨地域内外より75点もの作品が応募されました。
 また、18歳未満の皆様からも13点のご応募をいただき、その中から飛騨神岡高等学校、高山工業高等学校の生徒の作品が青竜賞を受賞しました。
 このような若い世代の活躍は大変頼もしく感じられます。

 芸術表現をするということはも二つの喜びがあると私は考えます。
 一つは、完成した作品に対し他人が共感を覚え、評価してくれた時の喜びです。
 この喜びは、本紙に作品が掲載された皆様が共通に味わった喜びでしょう。
 もう一つは、表現するための生みの苦しみを味わいながらも、それを完結した時の喜びです。
 惜しくも選に漏れた方も、自身の作品を生み出した瞬間には、この上ない喜びに満ち溢れていらっしゃったのではないでしょうか。

 暗い話題ばかりが目に付く昨今、喜びを感じて生きていけることは、大変素晴らしいことだと思います。

 最後に、ご共催いただきました社団法人高山市文化協会のご尽力に厚く感謝申し上げ、ごあいさつといたします。

飛騨は一つ

(社)高山市文化協会長 小鳥 幸男

 今年で30回を迎える飛騨文芸祭であるが、飛騨文芸祭を名乗る以前は、高山市に範囲が決まっており、いち早く、飛騨は一つをとなえ実行に移したことは、合併機運が盛んな昨今、当協会の先見性の有ったことを更めて感ずる。

 「文芸に境なし」という声の中で、今回は広く応募者を得たことは喜ばしい。
 特に、最近小説等長編ものの応募が増したのは、大いに喜ぶべきことかも知れないと感ずると同時に、短詩形の分野の人達の奮起をのぞんで止まない。

<受賞者一覧>

文芸祭賞 小説 下畑 七三 「封印」
江夏美好賞  
市長賞 俳句 西村 宏一 癌告知誕生日なり新樹なり ほか
 〃 児童文学 堀尾 美栄子 「昭和の煙」
市議会議長賞 短歌 松岡 道子 楽しみが喜びとなり種を播く
 土と親しむ今日この日頃 ほか
 〃 俳句 大溝 裕子 打水を踏み写経会に加はりぬ ほか
市教育委員長賞 俳句 中島 源兆 しらじらの音の和らぐ春障子 ほか
 〃 短歌 西野 紘子 それぞれの人生を経て向き合えり
 胃ろう食二人粥食四人 ほか
市文化協会長賞 小説 山腰 武司  とがにん
「咎人 弥平次」
 〃 小説 堀江 隆一 「なんでもやさん サイトー」
 〃 随筆 東 壽夫 「谷に生きる」
 〃 俳句 垣内 静子 春や春小町髪梳く九十九髪 ほか
青竜大賞 戯曲 橋本 雅 「不幸の向こう側」
青竜賞 俳句 畑佐 正樹 風香る花の匂ひに降り返る ほか
 〃 俳句 梶尾 智代 風香る見つめた先に響く声 ほか

受賞作品

 受賞作品の詳細については、(社)高山市文化協会までお問合せ下さい。

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