第26回(平成14年) 飛騨文芸祭
<入賞作品集 飛騨文藝>
<飛騨文藝・序文紹介>
ごあいさつ
高山市教育長 森瀬 一幸
第26回飛騨文芸祭入賞作品集「飛騨文藝」が発刊されますことをお祝い申し上げます。
今回も、飛騨在住・在勤、及び出身の皆様から78点もの文芸作品が応募されましたことは、この地方における文芸に対する関心の高さと、皆様の意欲の強さが肌身に感じられ、大変うれしく思っております。
小説であれ、俳句であれ、文筆活動の根底には、何気ない普段の生活において自らの感性を研ぎ澄まし、環境を自己の内に取り込んでいくという態度が必要であると感じております。
今回の入賞作品にも、皆様の日常における体験を己の血肉とし、作品に繁栄されている様子が垣間見られ、その真摯な創作活動に感服せずにはおられません。
現在、本市では、平成16年に開館を予定しております図書館を中核とした生涯学習施設に、「高山市近代文学資料館(仮称)」を併設することを予定しております。
飛騨は、瀧井孝作、江間修、福田夕咲、早船ちよ、といった偉大な文人を輩出しており、先達の足跡を顧みつつ、生きる力のできる施設となるよう努力してまいる所存でございます。
最後に、主催されました(社)高山市文化協会の文藝新興活動に深甚の敬意と感謝を申し上げ、ごあいさつといたします。
飛騨文芸の発展のために
(社)高山市文化協会長 小鳥 幸男
今年の応募作品には、小説など比較的長いものが多かった。
そういう意味では力作と言うべきであろう。
ただ、作品が長くなればなるほど、集中力とか、テーマの質の高さを問われる事になる
そうした中、残念ながら文芸祭賞に一致して推せる作品が見当たらなかった。
一年間の努力の結果を応募された各位に、更なる精進を期待して、来年はもっとすばらしい飛騨文芸祭になることを夢みる。
作品応募各位にご苦労さまと、御礼を述べたい。
<受賞者一覧>
文芸祭賞 | - | - | |
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江夏美好賞 | - | - | |
市長賞 | 小説 | 今井 隆 | 「田家の家訓」 |
〃 | 俳句 | 桂川 晶子 | 人ごゑの青田の波に乗りにけり 他 |
市議会議長賞 | 小説 | まつばしげる | 「遙かな島」 |
〃 | 短歌 | 松田 茂孝 | 卵嚢を付けたるままに泳ぎだす 稚魚は人の恣意うたがわず 他 |
市教育委員長賞 | 小説 | 南 アキラ | 「怒りの河」 |
〃 | 現代詩 | 中瀬 小夜子 | 「沖縄二〇〇二」 |
市文化協会長賞 | 随筆 | 細江 隆一 | 「『誤解』から『理解』へ」 |
〃 | 現代詩 | 石田 茂 | 「祖霊の謦咳」 |
〃 | 短歌 | 和田 操 | 乗合船待ちゐる昼の桟橋に あまたの花輪を人ら持ち込む 他 |
〃 | 俳句 | 長瀬 理々子 | 購ひし薔薇の一輪の重さかな 他 |
受賞作品
受賞作品の詳細については、(社)高山市文化協会までお問合せ下さい。